大麻(吸引)・酒・タバコの効果と害の比較
短期作用、依存性、肺・がん、心血管、事故、総合害スコア、年間死者数を出典付きで比べた表です。横にスクロールできます。
比較表
| 観点 | 大麻(吸引) | 酒 | タバコ |
|---|---|---|---|
| 主な短期作用 | 多幸感・リラックス、時間感覚の変化、思考・記憶・運動の低下、食欲増加。多量・高THC・未経験では不安、恐怖、パニックも多い。(NIDA) | 酩酊(気分の高揚や抑制低下から、判断力・協調運動の低下)。 | ニコチンによる覚醒・鎮静の両面(酩酊作用は弱い)。 |
| 運転・事故 | 判断力、集中、反応時間を落とし、運転は危険。(NIDA) | 世界で年約70万人が外傷(事故・暴力・自傷など)で死亡する(2019年)。(WHO) | 酩酊作用は弱く、運転への影響は小さい。 |
| 依存性 | 米国調査で、使用経験者の生涯依存確率は約8.9%。ただし発症は速く、半数が約5年以内。(Lopez-Quinteroら) | 同調査で約22.7%。半数が約13年以内。(同) | 同調査で約67.5%。半数が約27年以内。(同) |
| 肺・がん | 煙にはタバコと同様の毒物・発がん物質が含まれ、気道炎症や慢性気管支炎と関連する。肺がんとの関連は、米国科学アカデミーの報告書で「関連なし」とする中程度の証拠がある一方、個別の研究では結果が分かれる。(NIDA、NCBI) | 乳がん、肝臓がん、頭頸部がん、食道がん、大腸がんのリスクを上げる確立した発がん物質。2019年に世界のがんの4.4%、がん死亡約40.1万人に関係した。(WHO) | 米国のがん死亡の28.6%が喫煙に帰属される(2014年)。(NCBI) |
| 心血管 | 使用直後に心拍数・血圧が上がる。長期使用と脳卒中・心筋梗塞の関連を示す研究もあるが、直接の因果は研究が必要。(NIDA) | 年約47.4万人の心血管疾患死に関係する(2019年)。(WHO) | 心血管疾患の主要な危険因子(一般的知見)。 |
| 精神・認知 | 頻繁・多量の使用は、学習・記憶、注意、処理速度、言語の問題と関連する。(NIDA) | 長期の多量飲酒は依存や臓器障害を起こす。 | 認知への直接の障害は小さい。 |
| 他者への害 | 運転事故、乳幼児の誤食。(NIDA) | 暴力、事故、家庭や社会への害が大きい。 | 受動喫煙。 |
| 専門家パネルの総合害スコア(100点満点) | 20 | 72 | 26 |
| 年間死者数(世界) | 集計が難しく不明 | 約260万人(2019年) | 約800万人 |
スコアと死者数の出典:インペリアル・カレッジの解説、WHO(アルコール)、WHO(タバコ)。
読み方の注意
- 比較の前提が不揃いです。総合害スコアは、英国の専門家パネルによる多基準評価で、社会的な害も含みます。「使用者数で正規化していない」と批判するLancet誌の投書もあります。酒は使用者が圧倒的に多いため、総量の害が大きく出やすい点を割り引く必要があります。
- タバコとの混用が見えにくくしています。大麻とタバコを併用する人が多く、大麻単独の肺への影響は分けにくいと説明されています。(NIDA)
- 依存率は米国のデータです。大麻は依存になる割合は低くても、発症が速い点が特徴です。
- 日本の法的な位置付けは別問題です。日本では2024年12月12日から大麻の使用も禁止され、麻薬及び向精神薬取締法で規制されています。(政府広報オンライン)
- 出典の付いていない欄は一般的な知見に基づく整理です。酒の短期作用、タバコの短期作用・心血管・認知、酒の精神・認知、他者への害(酒・タバコ)が該当し、厳密な引用が必要な場合は一次資料で確認してください。