「これをやれば出生率が確実に回復する」という政策は、先進国ではまだ見つかっていません。
しかし、「比較的効果が確認されている政策の組み合わせ」はあります。OECDの分析では、親の就労と子育ての両立を支援する政策が、出生率と正の関係を持つことが繰り返し示されています。
フランスは長年、
を組み合わせてきました。特徴は「子どもを産むと生活が壊れない」制度設計です。フランスの研究では、家族給付の縮小が出生にマイナス影響を与えたことが確認されています。
また、フランスの家族政策は次第に「両親が働きながら子育てできること」を重視する方向へ移行したと分析されています。
ただし重要なのは、フランスも近年は出生率が低下しています。
つまり、「成功していたが、少子化を完全に止めたわけではない」が正確です。
北欧諸国は、
を重視してきました。
研究では、父親の育児参加や男女が仕事と育児を両立できる制度と比較的高い出生率には関連があると指摘されています。
しかし近年は北欧でも出生率は低下しており、
福祉国家だけで少子化は解決できないことも見えてきています。
近年よく話題になるのがハンガリーです。
実施した政策は、
などです。
実際に出生率は2011年の1.23から2021年の1.61まで改善しました。
ただしその後再び低下し、2024年には1.39まで落ちています。
そのため、大規模な経済支援だけで出生率を持続的に上げるのは難しいという見方が強まっています。
多くの研究で共通しているのは、一時金だけ
例えば
だけでは大きな効果は期待しにくいということです。
理由は、子ども1人を育てるコストは20年以上続くためです。
先進国では近年、そもそも
という段階で躓く人が増えています。
そのため、「子どもが生まれてから支援します」だけでは遅い場合があります。
日本で最も不足していると言われるのは、単純な児童手当額ではなく、
若年層の将来不安の軽減です。
OECDは、
が出生行動に影響すると指摘しています。
そのため、日本で比較的現実的なのは、
をセットでやることだと考えられています。
「現金給付そのもの」よりも、「結婚・出産による人生リスクを下げる制度設計」の方が重要ということです。
しかも、それでも出生率を2.1まで戻せた先進国はほぼありません。
少子化対策は「効く薬」を探す段階ではなく、「少し効く施策を総動員する」段階にあると言えます。